僕はまた、旅に出る。

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2020 2月 関西散歩、雑記(梅田〜中崎町・三宮・四条〜鴨川デルタ)

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穏やかな二月の午後、異人街の裏路地にて。

こんにちは。@heat02zero です。

閑話休題も兼ねて、たまには散歩の話を書こうと思います。

今回は雑記なので、文章が多めです。目で見て感じたことを綴ります。

 

二月某日。友人のところに遊びにいくのを兼ねて、関西に行きました。今回はそこで見てきたもの、感じたことをまとめます。

 

友人を訪ねて。梅田〜中崎町

あいにくの天気で、大阪らしいことはあまりしませんでしたが、街の空気には当たることにしました。散歩しつつ、カフェを巡った感じです。

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ヒロコーヒー。大阪、神戸を中心に展開するスペシャリティーコーヒーのお店。

梅田のヒロコーヒーに行きました。ティーポットがコーヒー豆の袋を被せた状態で出てきたので驚きました。

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コロンビアと一緒にチーズケーキを食べました。アップルコンポートとバニラアイスも美味しかった。

中崎町へ。

 

梅田から歩いていけるところに、レトロな街並みを残した、中崎町があります。古民家をリノベーションしたようなカフェや雑貨、古着屋が数多く並んでおり、大阪らしくない、落ち着いた雰囲気を味わうことができます。

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途中立ち寄った"もなか珈琲"。美味しいブラジルを頂きました。

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美味しい串カツを堪能し、友人とお別れ。良い休日を過ごした。

 

文化の混ざり合う街、三宮

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うろこの家の裏にある展望台より。街から港まで一望できる。

三宮は本当に面白い街です。街としては纏まっているのに、少し歩くだけで雰囲気が大きく異なります。異人街に始まり、中華街、モスクや日本庭園、湾岸のポートアイランド。異文化のゆりかごとなったこの街は、街歩き好きにとってはたまりません。

以前、関西に住んでいたときには、よく一人で歩きに行きました。今回、おおよそ二年ぶりに一人で歩いてみることにしました。

 

北野異人街

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北野天満神社より撮影。風見鶏の館(ラインの館)前の広場は閑散としていた。

坂の街、人々の生活のなかで大事にされているこの場所が、僕は好きです。

昨今の影響から、いつもの活気さはありませんでしたが、その分だけ落ち着いた印象を受けました。本来、こちらが正しい印象なのでしょう。

異人の館は、二月の青空の下で静かに港を見据えていました。

※ 残念ながら三月中旬まで閉館になったようです。 

 

上記の通り、ラインの館前の北野通りも人が少なかったです。

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静かな北野通り。喧騒もなく、本来の上品さが漂っていた。

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穏やかな日差しを浴びながらの散歩は、二月の冷たい風の中でも心地よい。

ラインの館

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この日は快晴。館だけでなく、館からの景色も楽しめた。

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人がいない、今だからこそ撮れた写真なのかもしれない。

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二階廊下より。陽光の注ぐ室内は静かで、床の軋む音が響き渡った。

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窓辺。ここから、街の成長を見守り続けていることを考えると感慨深い。

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室内より。オールドな空間から見える新しい街。時の流れを忘れてしまう。

こんな素敵な場所があることを知ってほしい、という反面、人で溢れかえって欲しくないという、紹介を躊躇う場所はたくさんあるかと思います。そんな中で、今回たまたま既に知っている場所が静かだった、という珍しい体験ができ、ちょっと得をした気分になりました。

 

うろこの家〜風見鶏の家〜北野天満神社

 

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窓が大きく、陽光がたくさん注がれていた。

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三階より。美術館に加えて、大きな窓からは三宮の街を一望できる。ぼけっとしたい。

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同じ窓の反対側から。コーヒーが飲めたら最高だなと思った。

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窓辺より。飾られた花の作品がいい味を出していた。

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鮮やかな庭と斜陽。

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風見鶏の館。広場は静けさを保っていた。

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坂の街の裏路地。ひょっこり猫が飛び出してきそうだった。

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北野天満神社。家屋の影が印象的。

 

ポートアイランド

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観光客や自転車の集団、放し飼いの犬が飼い主と楽しそうに歩いていた。

今回の三宮散歩で、見たかった場所がポートアイランドにあります。それが、神戸港震災メモリアルパークです。

僕がまだ赤子の頃に起こった、阪神淡路大震災。今や、関西の住人でなければ、実体のない、歴史的事実となってしまいました。その震災の爪痕を残す場所が、ここメモリアルパークです。

なぜ、見たかったのかというと、この街の光だけでなく、影を見たいと思ったからです。華やかな印象を受けるこの街ですが、どれだけの傷を受けたのか。どれだけの苦労によって再生されたのか、それも知った上でこの街を知りたいと感じたからでした。

ちょうど一年前、福島に行く機会がありました。こちらの震災の時は、高校生でしたが、その頃ですら、テレビの向こうの激甚は、言うなれば対岸の火事、もしくは異国の戦争を見ているように実感のないものでした。

友人に案内された海岸線を今でもよく覚えています。何もない原が入江の先に見えた時、僕は絶句しました。

津波によって流された海沿いの街。ただそれだけだった印象も、巨大な防波堤や盛り土、新しい墓石だけが並ぶ墓場が、これまで実感がなかった歴史的事実に輪郭を与え、実物として目の前に立ちはだかりました。それらを視認した途端、先に見える穏やかな波によって巨大な黒い波が想起され、人々に覆いかぶさるような恐怖が湧き起こりました。

帰ってから、僕はその時抱いた感情や衝撃がなんだったのかを知りたくて、彩瀬まるさんの「暗い夜空を見上げて」と「やがて海へと届く」を読みました。

そんな経験もあり、いろんな物事をこの目で焼き付けることは、物事が現実だったことを実感するのに最も手っ取り早い方法だということに改めて気づきました。

 

今からおおよそ25年に起こった、恐ろしい力による破壊は、確かにそこに遺されていました。この美しく文化が溶け込む街が、一度崩壊したという出来事が、僕にとっても事実として伝わってきました。

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柵で囲われた空間には、当時の被害がそのまま遺されていた。

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街灯は傾き、茶色く錆びた係船柱が本来の岸壁の位置を示している。

ここまで復興できたことは本当にすごいことだな、と思いました。この街の努力を垣間見ることができました。

 

四条〜鴨川デルタ散歩

京都に移動した次の日の朝、散歩をしました。

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"高木珈琲"にてモーニング。バターたっぷりのトーストと、コーヒーが最高だった。

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"イノダコーヒ"にて。酸味と甘みが効いたアップルパイに深煎りの苦味がよく合う。

 

行ったことがなかったので、京都御苑に行きました。

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こんな広い空間なのに人はおらず、観光客の減少を実感した。

確かに観光への影響があるということを、街を歩いていて感じました。京都にいるのに外国人はおらず、外国語も一度も聴こえてきませんでした。

一方、人がいないことで逆に日本人が溢れかえっているところもあるらしいのですが、そこには行きませんでした。基本、街散歩です。

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鴨川デルタ。森見作品を読んでいたことも影響し、見にいくことにした。人が少なくて良い。

帰り際に、Coffee base KANANDOでコーヒー豆を買って帰りました。インドとコスタリカです。黒く輝いた深煎り豆はとても美味しかったです。

 

おわりに 

関西を歩き回りました。10キロ以上歩いたので、数日間足回りの筋肉痛に悩まされました。

それでも、今後いつ見られるかわからない静かな光景を、心ゆくままに堪能できたのは良かったです。ちゃんとお金も落としてこれました。

三月からはさらに規制がかかるかと思いますが、いち早く活気が戻ってくれることを願っています。