僕はまた、旅に出る。

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いつか、"懐かしさ" だけにならぬように【去る街の記憶】

いい感じの夜の写真がなかったので、以前、山中湖に行った際の写真です。

 

みなさん、こんにちは。

以前の記事でお話しした、新年の抱負をRTAしたできごとから、はや3ヶ月。

早いもので、新居への入居、そして、新生活がスタートしました。

 

 

heat02zero.hatenablog.com

 

今回の引っ越しにあたり、長く暮らした街を去る前にやったことがあったので、そのエピソードを、自分のため、そして未来のために残しておこうと思います。

深夜のジョギングの記憶

お話に入る、前提として、自分は街歩きが好きなんですよね。

知らない街とか、行ったことがない駅で降りて散策したり、カフェ巡りをすることが趣味の一つなわけですが、これまで暮らしていた街も例外なく、たくさん散歩やジョギングをしてきました。

おそらく、自分の家を中心として、駅2つ分ぐらい、つまり、5から10キロ圏内は、だいたい歩くかジョギングをしたんじゃないかなと思います。

そんな中でも、特に自分は、深夜のジョギングが結構好きでした。

昼間と違って、必要以上の灯りがないので、刺激が遮られますし、
考え事をする時も、部屋で考えたりする時より、気が散らないので、
何か悩んだり、考え込むような時は、よく夜にジョギングしてました。

馴染みのジョギングコースを焼き付ける

今回、暮らした街を去る、ということで、いつものジョギングコース、
だいたい5キロぐらいだったと思うんですけど、そのコースを、
夜に散歩してみることにしました。

というのも、夜中に街を街を歩くって行為は、その街に暮らしていないとなかなかできない行為ですし、
ジョギングする時って、音楽聴いていたり、走りながら考えてしまいがちなので、意外と、ジョギング中に見える景色とかを、ちゃんと見てなかったりするんですよね。

このような状況で引っ越して、月日が経ってしまうと、
きっと、そのコースを走っていた時の思い出とか、感覚を忘れてしまって、なんとなく懐かしいな、って感情だけになってしまう気がします。

それって、すごくもったいない気がするんですよね。

だからこそ、まだ暮らしているうちに、体で、五感で得られるままのことを、鮮明に焼き付けておきたいなって思ったんですね。

なので、今回は、ジョギングではなく、歩きで、ジョギングコースを最後にもう一度回ってみることにしました。

景色が呼び覚まされる記憶たち

自宅を出て、ジョギングコースに入ると、走り出すあたりから、だんだんと、いろんなことを思い出してきました。

この道を通り始めた春の日。近くに、桜並木があることに気づき、見に行った夜桜が綺麗だったこと。

ここ数年間は、流行病の制限が厳しかったから、ジョギング中もマスクをしてて、結構息苦しかったな、とか。

この、夜のジョギングだけが、この息苦しかった感染症時代で、唯一、自由を感じている時間だったな、とか。

見える景色や音も相まって、いろんな記憶が浮かび上がってきました。

過ぎていくジョギングコースの各所と紐づく、体の記憶も、今はまだ、残っていました

しかしながら、こういった細かい記憶も、きっと10年もたてば、このジョギングコースを走っていたという、事実と、景色の記憶だけが残るだけになってしまうんだと思います。

コースの終わりに。

1時間ほど歩いて、ジョギングコースを完走すると、急に、寂しさが込み上げてきました。

いつもは20分弱のジョギングコースを、いつもより長い、1時間かけて、歩いたのに、です。

散々散歩したり、ジョギングして、飽き飽きした街であっても、
やっぱり、自分の街だったんだな、ということを再認識しました。

飽きたといいつつ、いい街だったんですね。

去ることになって気付く、当たり前だったことの素晴らしさは、去る前から時々思い返すべきだったなと、思いますが、今回、こうやって最後に歩くことができて、こうして音源として残せたのは、良かったなと、思っています。

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