こんばんは @heat02zero です。
なんとかすべりこみで今月の振り返りです。
"わからない"を楽しむ
先日、箱根に行く機会がありました。
元々は、モネやピカソの絵を観るために行ったのですが、ポーラ美術館で開催されていた、ロニ・ホーンの展示会で感じたことを残しておこうと思います。
ロニ・ホーンは、アメリカ在住の作家。アイスランドに魅了されて旅をし、アイスランドで経験した「孤独」に影響を受けています。作品は「自然」をモチーフにしたものが多いようです。今回は水をテーマにした作品を中心として展示されていました。
いくつか印象的な作品がありました。
・「ガラス彫刻」シリーズ
・「または 7」 シリーズ
・「あなたは天気」シリーズ
・静かな水(テムズ川、例として)シリーズ
それぞれの作品に思うことがありましたが、今回の展覧会の鑑賞を通じて思ったのが、「わからない」を楽しむことでした。
これまでの美術鑑賞は、有名な絵画や塑像といったモチーフがあるものを見る機会が多く、「この作品はなんか好き」
「色合いがなんか綺麗」
「他の作品や時代とはこんな繋がりがあるのか」
「作者の人柄・生き方がこの絵に反映されているのか」
といった観点で作品を見てきました。
しかし、今回見た作品たちはどれもそういったものとは遠いようで、自分にとっては真新しく、形容し難い作品ばかりでした。
人は、何かを見たとき、既存の何かとして"それ"にラベルを貼りたがります。いい例えか分かりませんが、
「これはりんごだ」
「これは人物だ」
「これは〜ついての作品だ」
、といったものだと思います。何かわからないものを、"それ"を既存のもので解釈をすることで、安心感を得ようとします。
しかし、今回見た"作品たち"は、既存のどれとも違う、説明のしようのないものばかりでした。
近くで見たり、離れて見たり。作品に描かれたもの・背景を理解するのではなく、作品全体・細部に宿った世界や思いを感じとりながら、"わからない"を楽しむことができました。
美術は、受け手側次第、と言います。普遍的に美しいとされているものの価値を、構図や色彩から理解するのも美術鑑賞の楽しみ方のひとつですが、作品を前に、映るままの世界に浸ってみるのもいいなと思いました。
世界の移り変わりが激しい2022年ですが、引き続き、自分で判断・解釈し、発信していくことを続けていければいいなと思います。早く、いろんなことが収束することを願っています。
今月も多忙だったため、旅行動画は3月に上げたいと思います。楽しみにしてくださっている方、もうしばらくお待ちください。
次回に続きます。