僕はまた、旅に出る。

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オーディオガイドについて思ったこと

今回もゆるふわ小話です。

 

つい先日、美術展に行く機会がありました。

2017 大阪で開催されたバベル展(美術展)です。

 

自分はそこまで頻繁に行くほうではないのですが、有名な絵が観れるというときには、つい足を運んでしまいます。美術展に行って目に入ったのが「オーディオガイド」。ヘッドホンをつけて、聴いて回るアレです。最近では結構進化しているようで、3DSとかアプリとしてもあるようでビックリしました。ルート案内や立体的な解説とかの機能もあるようです。

ルーヴル美術館のオーディオガイド Audioguide Louvre - Nintendo 3DS ™ XL | ルーヴル美術館 | パリ

 

このように、手軽で、よりわかりやすくガイドをしてもらえると、美術館などの鑑賞ハードルがかなり下がってとてもいいなと思いました。これができてくると、想定される次のステップとしては、やはり、鑑賞する人間が思ったことや気になることをオーディオガイド機器に尋ねたり、対話するということになるでしょうか。

 

音声対話だとsiriとか。googleにもありますね。ここのところgoogle homeやline clova WAVEなどのスマートスピーカーなどが話題になりました。美術の内容を対話するには何が必要でしょうか。最近ではウィキペディアなどから情報を引っ張ってきて表示することもできるようになっていますが、いろいろと問題はあります。

中でも大きな問題は整備されたデータが少ないことです。一般的なドメイン(たとえば生活全般や旅行など)の対話に必要な固有名詞の辞書や知識ベースは、みんなが頻繁に使うので、ある程度データがたまっていると思います。しかし、今回の美術のようなドメインでは、固有名詞の辞書や知識ベースがまだまだ整備されてないような気がします。

例として、「・・・・・・・・・」って名前のアイドルがあるらしいんですけど、この言葉が「アイドル」であると記述された辞書がなければアイドルを表す固有名詞であると認識することができません(ただし、文が正しく分かち書きされていれば、機械学習などで固有名詞ということまでは当てれるかもしれませんが)。

【全員目隠し、名前は「・」】・・・・・・・・・(←グループ名です)が作る新しいアイドルのルール【卒業のないアイドル】 | ガジェット通信 GetNews

 

加えて、一般的なドメインでない以上、オーディオガイドを使う人によって、知っている知識の度合いが大きく異なるため、その分野では当たり前の知識であっても、初学者には知らない知識もあるわけです。そういう人のために、専門用語の上位概念や、よりわかりやすい表現、その専門用語に関するさらなる補足知識が必要になったりと、膨大で網羅的な知識ベースが必要になります。 絵の分野に関して言えば、絵に関する背景知識、例えば宗教的なものだったり、当時の価値観だったり、絵の技法など、絵そのもの以外に知識が鑑賞の上で重要になっていたりします。例として、ある肖像画には必ず剣が一緒に描かれているものがありますが、これはこの肖像画の人物が斬首されたことに由来する(聖バルバラ - Wikipedia)、という話なんかもあったりします。あとは、軒先に白鳥の旗が出ていれば意味があったり(ヒエロニムス・ボス「放浪者」)。このように、その描かれているものにもさまざまな背景があったりするため、様々な知識を登録したり、引っ張ってこれるようにする必要があります。ある程度であればオーディオガイドが教えてくれるかもしれませんが、基本的には重要な部分だけだと思いますし、自分の気になるところをオーディオガイドでは知ることができないかと思うので、オーディオガイドにたずねることができるようになれば、嬉しい限りです。

 

長々と書いてしまいましたが、結局のところ、対話するオーディオガイドを構築するには知識がたくさん必要で、まずはそこをなんとかしないと実現は難しいのかなという感じです。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。気になる方は調べてみてください。ちょっとなぐり書きすぎてぐちゃっとしてるので、後日書きなおすかもしれません。